梅ログ

オレにさわるとあったかいぜ

宙に浮くりんご マグリットの絵画を再現したい

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眠れない夜に浮かぶ幻のような、独特の雰囲気を漂わせる絵画を生み出した人物。

ベルギー出身の画家、ルネ・マグリットという人物をご存知だろうか。

 

宙に浮いた大きな岩、指の生えた靴、顔を布で覆った男女などといった

数ある不思議な作品のひとつに、『人の子』と名づけられた作品がある。

マグリット本人は自画像として描いたというそれは、どこか歪んだ印象を抱かせる。

 

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筆者のイラストで恐縮だがこのような作品だ。

オマージュ作品も多数存在するので見覚えがある人もいるかもしれない。

(実際の作品:Magritte The Son of Man - Google 検索

 

『人の子』は山高帽とコートを纏った男性がまっすぐに正面を向いている油彩画である。

落ち着いた色合いで描かれた男性は、飾り気は無いが身なりは整えられており、几帳面で真面目な人物に見える。

 

しかし、彼の顔の大部分は確認することができない。

青いりんごが宙に浮くようにしてその存在を主張しているのだ。

本来なら顔が描かれているであろう位置で、である。

 

その異様さが私の胸をときめかせた。

なんて不思議な人だろう!その裏ではどんな顔をしているのだろう!

ギャップ萌えだ。ゲインロス効果だ。印象操作の効果は抜群だ。

 

たった一つのりんごが平凡な日常感をぶち壊す。

ミステリアスでスリリングな、このかっこよさを実写写真で再現してみたい。

 

宇宙人や超能力者ならひょっとしたら物体を浮かせることができるかもしれないが、

ここは重力に縛られた実直な地球人として、浮いて見える工作をすることにした。

 

 

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工作をするとなったら向かうは東急ハンズ

あそこの店員さんは、聞けばたいていのことは答えてくれるのでとても信頼している。

先日は割れたつげのくしをくっつける接着剤を教えて頂いた。木工用ボンドで良いそうな。

 

しかし素直に「顔の前でりんごを固定するために必要な物は何か」と尋ねるなんて悪いことはできない。そんな風に忙しい店員さんを悩ませるなど、人の子ならしないだろう。だがこれについて相談するための正解の言葉が見つからず、結局2時間孤独に悩んで決めた。

 

最終的に材料として選んだのは、防塵ゴーグルと低頭ねじ、ステー(固定金具)の3つ。

「頭がでっぱっていると邪魔になるのでは」と低頭ねじを手に取ったところまでは私の脳は動いていたと思う。その先の記憶はモヤのようである。

それでもそれらしい物が買えたことに、ほっとしたり不安になったりしながら工作を始めよう。

 

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まず防塵ゴーグルにキリで穴を開けた。

防護器具なので穴を開けるのは難しいんじゃないかと思ったがそんなことはなく、綺麗に穴が空いてくれてほっとする。

 

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そこにステーとねじを取り付けたら完成だ。

買い物が大変だった分、簡単過ぎて拍子抜けした。穴を開けた際に散った削りカスがちゃぶ台の木目に入り込んでしまい、その掃除の方が大変だったくらいだ。

 

さっそく装着し、部屋にあった適当な箱を乗せてみる。

視界を覆われるので肉眼では確認することができないが…どうだろう。

手探りでカメラを顔に向け、シャッターを押した。

 

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マスクの箱が浮いた!

 

箱の一面しか見られないため、立体感が感じられない。

薄い紙を顔に貼り付けたようにも見える。

にもかかわらず、お面のように固定されているという印象はない。

 

よく見ると土台のねじ先が顔を出しているが、もし自分がこの画像だけ見せられたら、どういう仕掛けになっているのか気づけない自信がある。

顔の角度やカメラ位置によっては土台部分も見えてしまうが、

そこさえ気を付ければちゃんと浮いているように見えるだろう。

 

試しているうちに楽しくなってたくさん自撮りをした。

疲れた顔をしていてもどうせ隠れるので盛れ高を気にしなくてもいい。

写真アプリになかなか認識されない顔面の持ち主としては最高としか言いようがない。

顔が美しく写るアプリの次に流行るのはこのゴーグルだと確信した。

 

これはかなりいい感じなのではないか。

思いのほか簡単にできてしまってちょっと惜しいが、

身なりを正し、りんごを持って外に出よう。

 

 

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皆さんこんにちは、今回はマグリットの作品『山高帽の男』を再現してみました…。

 

まず結果を言うと、りんごは浮かなかった。失敗である。

撮影に付き合ってくれた友人に申し訳なく、気休めにマグリットの別の作品、『山高帽の男』を鳩サブレーで再現。少しでも成果を残そうと迷走した結果のこれである。

元々はりんごを乗せるついでのつもりで用意していたのだが、思わぬ結果にこの日は鳩サブレー感謝の日となった。

 

因みに山高帽の男は同じく顔が隠された作品で、男性のポーズも服装もほぼ同じ。

しかし描かれているのはりんごではなく鳩だ。飛んできた鳩が偶然写り込んでしまったようにも見える絵で、『人の子』とは違う可愛らしさがある。

(山高帽の男:magritte Man in a Bowler Hat - Google 検索

 

さて、失敗の主な原因は重量と形である。

りんごの重みがそのままゴーグルの縁にのしかかったのだ。

短い時間なら平気だろうとたかをくくっていた作りの甘い土台はすぐにぐらつき、球体であるりんごは転がりやすかったというのもある。

 

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ゴーグルが頬に食い込み涙がにじむ。

顔が割れそうな痛みを感じるなかで、支点力点作用点という遠い記憶のワードが脳裏を過った。てこの原理が、顔の上で働いている。

痛みから逃れようとついあごを上げると土台が丸見えになってしまい、思うような写真は撮れない。撮影の一瞬だけでも耐えようと姿勢を正すと、今度はりんごが転がり落ちる。

まっすぐ向き合いたいのに、我慢をして不安定になる。不器用な恋のようだ。

何度も試してみたが、結局どうにもならなかった。

 

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試してくれた友人は「私は頬の筋肉がしっかりしてるから大丈夫!」と言っていたが、表情は無だった。

お礼と謝罪の気持ちを込めて鳩サブレーをプレゼントした。

 

物が乗らなくもないのだという安心感と、

しかし肝心のりんごは乗らなかったというがっかり感を抱えてその日の撮影は終了。

実験は失敗か?このままりんごが浮くことは無いのだろうか?

冒頭の写真を思い出してほしい。この試みは成功する。

 

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顔の前でりんごを浮かせることは不可能なのか?

見えない部分は無くても一緒なのでは?と、

半ばやけくその改善案としてりんごを半分にカットし、軽量化を図ってみた。

するとどうだろう、軽くなった分痛みは少なく、そしてゴーグルに立て掛ける形になるので転がらず、

りんごは比較的落ち着きを見せた。やはり問題は安定感と重量のようだ。

 

しかしこれは私が求める画ではないな。

りんごが乗ってくれれば正解だと思っていたが、そもそもゴーグルが大きくはみだしているせいでマグリット感が無い。

顔の前に収納スペースが欲しいのであればこのままでも良いのかもしれないのかもしれないが、こんなに露出しているなんて、最初に試した時には嬉しくて気づかなかった。

人は浮かれると目の前にある現実も見えなくなってしまうのか。

 

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分割したりんごを左右に乗せてみたが、ゴーグルが隠れれば良いという訳でもなさそうだ。

 

それならばとゴーグルが隠れるほどのりんごを探しかけたが、

冷静に考えてそんな大きなりんご、今度こそ顔が割れる気がしてやめた。

 

それでもなるべく大きくて安定しそうなりんごを探したり、

『人の子』に思いを馳せているうちに季節は巡り、

街はいつの間にか春の装いを片付けて、あらゆるお店に夏物の商品棚が現れる。

 

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職場の近くの100円ショップには水中ゴーグルが並べられていた。

 

防塵ゴーグルよりも面積が小さい!

子供用サイズなら大人用よりもパーツが小さいし、黒いグラスなら目立たなそうだ。

これしかないと思い、すぐに手に取った。これで人の子ゴーグル二号を作ろう。

パッケージには「ソフトな顔当たりでお子様にも安心」と書いてある。私の顔面も安心させてほしい。

 

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目に水が入らないようにするためのものにわざわざ穴を開ける背徳感をうっすら抱きながらキリを突き立てた。小さい分少し手間取ったが、作り方は一号とほとんど変わらない。

 

あとはうまくりんごが顔の前に落ち着いてくれれば、

そして少しでも顔の痛みがやわらいでくれれば万々歳だ。完成した二号を手に、再び外へと飛び出した。

 

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飛び出しました。

 

季節は初夏。対して服装はシルクハットとコート。

せめて空が実際の絵のように曇ってくれればと思ったが、この日はすがすがしいくらいの快晴。

風景と服装がちぐはぐで合成写真のようだ。

 

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顔につけるタイプの拷問器具ではない。

 

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ニューバージョンの進化具合にお気づきだろうか。

一号は構造的に土台がゴーグルにしっかり止まらず不安定だったため、留めるねじを増やして緩まない形にした。土台のステーも長さを出して安定感アップ。

L型ステーも横から支えてくれる。転がり落ちてしまわないようにつぶ状のすべり止めも設置した。

りんごもこれで少しは安心だろう。

 

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しっかり装着できたところでいよいよりんごを乗せる。

なるべく痛くありませんようにと念じながらそっと。どうだ?

 

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乗った!

 

りんごの重みを顔で受け止めていることは間違いないが、顔の肉ごと地面に落下しそうな感覚。

ニュートン万有引力を思い出させる。

ゴムによって顔が締め付けられ、目はうまく開かない。引っ張られるような痛みが強い。

だが、ゴーグルの縁を覆うゴムが当初の問題であった食い込むダメージを吸収してくれている。

これなら我慢できる。

 

りんごも多少顔を振っても大人しくじっとしているので改善の甲斐があったと言える。

 

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鼻が潰れて呼吸ができないため口が開いている。

 

なおパートナーには青森県産の王林というりんごを選んだ。

この名前には「りんごの王様」という意味を込められているらしい。頼もしい名前にあやかりたかったのだ。ちょっと人間の吐息がかかる仕様の玉座だと思って顔の前にどっかり居座っていて頂きたい。

 

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成功を確信したところで撮影へと移る。ここからはカメラマンが頼りだ。

 

ローアングルだと金具が見えてしまう。

カメラ位置をやや高めに、少し離れて撮ってもらう。

 

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…浮いた!

 

自分の視点だと薄暗い視界いっぱいりんごが埋められているので分からないが、

撮影してくれている友人のどよめきで浮いた!と思った。

りんごを乗せたまま小躍りしたい気持ちをこらえてそわそわする。

 

自分以外の人が浮いて見えると思ったならばそれは浮いているといってよいだろう。

重みで鼻がもげそうであることを知っているのは私だけなのだから。

 

りんごはりんごで変に体を傾けたりしなければ落ちない。

堂々としていてくれてうれしい。

なお、右腕をやや後ろに回しているのは、絵の人の子の右腕が捻ったような描かれ方をしていたのを再現しようと思ったささやかな気持ちの現れである。

 

水中ゴーグルはシルクハットの色となじんで目立たなくなったが、

土台の白い部分が少し見えているのでさらに遠ざかってみる。

 

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このりんごの奥で顔がへしゃげているとは誰も思うまい。

 

遠ざかったら風景に混ざり込んだ異物感が強まった。

人の子というか妖怪のようだ。

コートの下から脚が生えているせいで、そういったタイプの変質者にも見える。

顔の隠している物の怪か、隠しておくべき部分を晒す趣味がある変態か、

どちらにせよ公園で会ったら人に助けを求めたくなるビジュアルだ。

 

絵ではかっこよく見えるのに別の意味で危険が香りがする。生命の危機である。

空想でのかっこよさと現実でのかっこよさはイコールではないようだ。

しかし、作品が醸し出す不可解さと強烈なギャップは再現できたのではないだろうか。

私とりんごは一回目の撮影とは違う達成感に満ち溢れていた。

 

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『人の子』は、どうしてりんごで顔を隠しているのだろう。

 

マグリットはこの作品について、

「そこに顔が存在していることは分かるが、りんごで隠れているために見ることができない。

人は、後ろに隠されたものを見たくなる。見えているのに見えないものに関心を持つ。

この隠されたものへ対する関心は、見えるものと見えないものの間で葛藤のような強い感情として現れるかもしれない」

というようなコメントを残している。

 

見えているのに見えないもの…

承認制の非公開ブログ、玄関や窓を開け放している家の中、思わせぶりなあの子の気持ち、トリミングやスタンプ加工で一部分を隠された写真。

なるほど、見えているけれど見えないものに対する関心は確かに存在する。

そしてそれに対して大なり小なり悶々としている。

 

でも、彼が言いたかったことをこれで正しく理解できていると言えるのだろうか。

そこでまた頭を抱えてみたり、分かったつもりになって、

今日もりんごの向こうの見えそうで見えない顔へ思いを馳せる。

 

シュルレアリスムはむずかしい。

 

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ゴーグルを外してもしばらく鼻に赤い跡がついていた。

もしかしたら絵の中の『人の子』も、りんごの向こうで顔を歪めていたのかもしれない。

即興劇のワークショップに参加した話(4)

2回目の演劇レッスン、からの即興劇ワークショップ4回目。今日はレモンビールを入れた。そろそろ慣れてきたような気もしないでもないがまだ不安。お酒を飲むとそのまま太るので、通うのを続けるのであれば止めたい。

 

今回の身内参加者はいつもの友人と3度目の友人と初参加の友人。合わせて4人。教室に行くといつもより賑わっていて、通ってきた中で一番人数が多くて12人くらい。人数が多い分初参加の友人の演技は見られずそれは残念だった。彼は絶対即興向きなので次は見たい。

 

内容はこれまで通りのキャッチボール。と、思いきや後半のインプロは台詞無しでの物語づくり。体の動きだけで自分が考えていることを他の人に伝える。
与えられたテーマに沿って頭の中で組み立てたストーリーが、いざ動いてみると全然できない。これで本当に通じるのか?本当にこんな動きをしてたっけ?とか。慣れている人達は一つ一つの動きが大きく丁寧で、実際にその動作をしているようで流石だった。

 

たまーに、人によってはこうした方がいいよ、とかたくさんアドバイスをくださるのだけれど、とてもありがたいのだけれど、別に怒ってる訳でも攻撃されているでもないのは分かってるけど、小心者的には少しこわい。自分の演技がダメなことはわかっているのでちょっとずつできるようになりたい。と思いつつでもそれは逆に言うと、いつになるか分からないけどできるようになるまで気長に待ってくれという甘えでもあると思う。それも良くない。

 

帰りがけに先生方から、本人には分からなくてもそう思っている人達がいることは知っておいて。と、梅ちゃんは良いと思うよ、と褒められる?などした。
からしたら演劇をしている人達こそ独特だと感じているが先生方から見たら私が独特らしい。畑の違いなのか、よく分からない。目指す"普通"が遠いのは分かる。

 

本レッスンもあるし、ワークショップ参加は今後も続きそうなのでレポート記事は一旦ここで止めたいと思います。まだ気になるという方はただの日記アカウント(https://komedas.hatenablog.com/)を覗いて下さい。行った日にネタとして書くはず。

即興劇のワークショップに参加した話(3)

※正気ではないうちにと演劇スクールの本レッスン受講を決めた。

 

即興劇のワークショップ三度目の参加。冷たい風に凍えながら駅前で氷結を入れた。
昼間は素面で本レッスン、夜はお酒を入れて即興劇と、朝夜演技をする日曜日。
先生は「こっちが本当の梅子だね」と夜の私を迎えて下さった。酒が入った方が本物。

 

短い時間でミニゲームのようなコミュニケーションを行う。やることはほとんど同じだが即興なのでその内容は毎回異なる。アドリブ力を鍛えられる。


今回は初参加の友人も1人いた。普段から言葉の回転率が高くて面白い彼女だが、即興劇の前の簡単なコミュニケーションの時点で大変そうにしていた。知らない環境や知らない人達というのも原因かもしれないが、前回初参加だった他のおもしろ友人もそうだった。日常で話す力と、即興で話す力は違うのか?頭を使うところは違う気がする。

自分は慣れてきたのか楽しくできるものと苦手なものが少し分かってきて、何も知らない時とはまた違う理由で苦しんでいる。


他の参加者の演技に乗っかっていかなきゃいけないのに、質問で返しそうになったり、ふわっとしたイメージで口に出してしまったり、要は無意識に他人に決めてもらおうとしているのが厳しい。という自覚が何かをする度にはっきりしてくる。

 

行った即興はトーク番組、同窓会、ドラマ。
蟹百本釣りのプロを呼んだり、私が学生時代血に染めた先生と結婚したり、話ごとに人が死んだり、人混みと波乗りとネットサーフィンだったり、飛んでいたら鷹に攫われて食べられてスリムボディになったりした。高く飛んだなあ。
ドラマは具体的な妄想(物語づくり)ができる人は得意かもしれない。

 

まだ常に素面は恥ずかしいのですこしずつ摂取量を減らしていく方式で演技ができるようになりたい。


他にもまだ参加してみたいと言っている友人はたくさんいるので皆でわいわいできたらいいな。
フォロワーさんあたりで興味があるという方は詳細をお送りしますのでご連絡ください。

即興劇のワークショップに参加した話(2)

初めての即興劇ワークショップ参加から一週間が経った。
その間にずっと使いたいと思っていた相手にややぎこちないながらもタメ口で話すことができたので参加して良かったなと思う。
が、それで満足するつもりはないので二回目の参加を決め、切り込み隊長である友人に連絡。

友人「月末なので今週はチームに分かれていきなり人前で演じて競う回だと思います」

ええーー!!!!怖いやだーーーー!!!!


「変わりたいんじゃないのかお前」と諭されながら参加を決めました。
でもやっぱり怖いので直前にハイボールを入れ、へらへらしながら教室へ。
先週より参加人数は少な目。

 

最初に準備体操という感じで前回やったミニゲームと、それをアレンジしたものをいくつか軽めに行いちょっと安心。一回でもやったことあることがあるだけで気持ちが大分違う。

 

そこから2チームに分かれて1分、2分、3分、4分、時間が異なる4つの即興劇へ。
その前にチームで事前に簡単なリハーサル。
テーマは直前に相手チームから出してもらう方式なのであくまで流れを理解するためだけの練習。

今回の私たちのチームは
「今日は」「とても」「良い天気だ」など一人一言ずつ回してアドリブで繋いでいき、オチをつける劇、最初の台詞と最後の台詞は決まっていて、最後の台詞を2人以上で言えるようにストーリーを作っていく劇、ベルが鳴る度大げさな演技と普通の演技とで切り替える劇、フリースタイルを行った。

 

決まっている台詞を言うタイミングが早すぎたり、自信が無く歩き方がおかしかったり、挙動不審だったり、パニックで表情が笑顔固定だったり、一応お客さんが居る形なのに観客側に背中を向けてしまっていたり、
これができてないな!!というのをやってる最中に気付けるくらいの若干の余裕が生まれてて成長だなと思った。
気付いてすぐそれらを正せるほどの力は無いけれど。
終わったあとにもっとこうしたら良かったなという細かな気づきも多々。
感情を言動に乗せられるようになるのはまだ先だなと感じた。

 

最後にはチームではなく全員で3つのシチュエーションをテレビのチャンネルを切り替えるように行い、最終的に1つのストーリーにする劇を行った。めちゃくちゃ難しかった。記憶力も試される。

 

演技を切り替える劇では久々に大声(当人比)を出せて良かったな。
チームの方はキャラが立っていて分かりやすく、私のフォローもして頂き、大変お世話になりました…

 

プー、ピー、おいしい、おいしい、豆腐だよ~、プー、ピー

即興劇のワークショップに参加した話(1)

「考えてることが分かりづらいから距離を感じるというか、感情表現を分かりやすくすればいいんじゃないかな」

人付き合いで悩んでいることを相談している中で友人は言った。
やや言いづらそうに見えた気がしたが滅茶苦茶分かる。反論の余地無し。
twitterで最近よく見る言い回しで言うと分かりみしかない。私のリアクションは基本的に控えめである。

 

人からプレゼントをもらった時のリアクションで例を挙げると、
「えっ、いいんですか?頂いてしまっても…ありがとうございます」
大体こう。そしてそう言ったあとにその頂いたものについて、ありきたりな感想や質問を述べる。かわいいですね、どこで見つけたんですか?

プレゼントは本当に嬉しい。しかし、その感情を言葉に乗せるのが苦手だ。
なんならこの言葉も、何かをもらった時に言うフレーズとして言っているところがある。どんな風にすれば良いのか分からないから。
こうなってしまった根本の原因は分かっているがそれについては今更どうしようもないことだ。
でも現状を変えたい気持ちはある。

 

実は数年前に、今回の友人の意見と似たことを別の人にも言われていた。
その時はその時でコミュニケーション能力を上げる為に頻繁に合コンやパーティーに身投げするなどしていた。
異性交遊的な成果は得られなかったが、まあまあ鍛えられたつもりでいた。
しかしそれでは補えなかった部分があるのだ。
それでは、それをどこで身につけるか。
同席していた別の友人は言った。

「演劇を学ぶのはどうですか」
演劇経験者である彼曰く、演劇スキルが身につくと日常での感情表現の幅も自然と広がるらしい。


よしやろう。
演技なんてできる気はしないが、友人がそう言うのならやろう。


彼に誘われて次の週末の夜早速演劇の学校に入り込んだ。
そこでは誰でも参加できる即興劇のワークショップが行われていたのだ。

演劇なんて義務教育時以来だが、初心者も参加可能の優しい会で安心。
とはいえ人見知りなので他の友人も誘ったが。


予めハイボールを一杯入れ、「初めてなのでめちゃくちゃ緊張しています!」と保身をしつつ簡単に自己紹介をして、2時間の即興劇体験が始まった。

感想を言うと、演技らしい演技を挟む余裕はなかった。緊張してる暇もない。必死。でも誰も怒ったり否定したりしないので上手くできなくても楽しい。

 

この教室ではひとつにつき10-15分程度のミニゲームを通して、性別も年齢もバラバラな他の参加者と様々なアクションのやりとりを行う。

決められた言葉を交互に投げかけていくゲームから始まり、
徐々に想像力、アドリブ力が必要なものへと少しずつ難易度が上がっていく。
(つい面白い事を言おうと考えてしまうが突飛なものを求められている訳ではないのでなんでもいい)
そして終わりの頃には複数人で決められたテーマで即興劇を行う。
観客はいないので仲間内での雑談中に全員で小芝居をする感じだ。

 

どのゲームでも、とにかくやらねばという気持ちだけで動いていたが、驚いたのは『全員小学校の仲間。同窓会での数十年ぶりの再会』がテーマの時。
日頃、標準語でのタメ口が使えない、東京では方言は出せない、と常に敬語で話していた。
ところが設定のおかげとはいえ故郷で使っている方言タメ口がヌッと出たのだ。びっくりした。
先生役の方には敬語、同級生には方言タメ口の使い分けもできていた。本当にびっくりした。
これについては既に日常に影響が出ているのも驚きである。
標準語に囲まれた環境での訛りにはまだ抵抗があるが、口調の切り替えに対する心理的なブレーキは和らいだように感じている。

 

普段話す速度も頭の回転も遅いため他の事を考えている暇もなく
家を出る5分前に起床した時のような慌ただしい瞬間のような、頭がフル稼働している状態を2時間続けている感覚だった。
終わりの時間を迎えるとほっとしたやら名残惜しいやら、少し清々しい気分だった。

一緒に初参加した、普段楽しく陽気な友人が「いつもならもっと面白い事言えるのに」と落ち込んでいたのも印象的だった。いつもできていることができなくなるというのはどういうことなのだろう。

 

リアクションをする前に考えてしまう癖、意見や感じたことを飲み込む癖をここで改善することができたらとこのワークショップに通う事を決めた。
コミュニケーションの度に起こる、胸の奥に何かが詰まるような感覚を払拭できたら万々歳である。

 

演技力は営業系の仕事にも有効とのことなので仕事でのコミュニケーションに悩んでいる人にもオススメ、かもしれない。
今後もこのブログで記録を行っていきたい。

架空の誰かの食事について考える

突然ですが、あなたは毎日何を食べていますか。

 

食事にはその人の性格や食への考え、そして生活が表れる。
一緒にコンビニに入店したとしても、自分はその存在に気付きもしなかった物を好んで選んでいる人もいるのだ。皆何を食べているのだろう。どうやって献立を考えているのだろう。

 

筆者は市販のお惣菜とフルグラ、サプリメントプロテインのローテーション、時々外食という食生活を送っている。思考と手間を放棄して手軽さを最重視した結果だ。

だが、正直飽きている。この食生活はもう続けられない。自炊も嫌いじゃないが、今の生活スケジュールと環境では厳しい。そして思いついた。

自分とは異なる生活をしている他人のつもりになることで、この食生活が変わる糸口が見つかるかもしれない。

自分ではない誰かの生活を想像し、一日分の食事を考えてみたい。

 

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左から鈴木さん、筆者、種さん、じうがわさん、みきぽさん、オイヌマハルカさん。

架空の人物の献立を考えるのに付き合ってほしいと声をかけたら集まってくれた。誘いの内容に首を傾げながらも付き合ってくれる良き友人である。

すました顔で写っているが全員生きた人間。日々見えないところで必死に献立を考えていることだろう。

折角集まって悩みと向き合うのだ、今回の経験から高級教材が作れるくらい素晴らしい日にしたい。

  

なお、この企画で購入した食品はすべて、献立で楽をしたい筆者が持って帰ることにした。
同じお金を払うならいつも食べてるものより少しだけいいものが食べられそうなお店がいい。

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そこで頭に浮かんだのが、こだわりの見える輸入食品や国産商品を揃えているカルディコーヒーファーム
なかなか見ないような商品が多く置かれている。コンセプト的にはやや高価なお店の印象ではあるが、イメージより安く買えるものも多くある。少額予算でも普段と趣が異なるものがお腹いっぱい食べられそうだ。
ということで参加者全員でカルディで買い物をすることにした。購入ルールは下記の通りである。

 

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なるべく筆者と食費予算が近い人を思い描いてもらうために1,000円で予算を統一した。
この中に調理に必要な、水やお米、野菜などの料金は含まない。
とはいえ一日で食費に使える合計金額が1,000円というのは現実的にはやや厳しい設定であると思う。

悩みながらも買い物を済ませると、各々の脳内に住まわせた人物を発表するために我々は公園へと向かった。

 

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お花見スタイルで失礼。桜をほどほどに楽しみつつ、一番手は筆者だ。

「32歳の事務系OL。体型の変化が気になる今日この頃。これはダイエットを決意した一日目の食事です」

 

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「朝食のジュレは一個だけですか?」
「一個だけです。おしゃれなビジュアル、カロリーが低いという点で選んでいます。あとはお腹に溜まりそうというイメージで」

 

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「お昼は……ダイエット感無いですね。夜ごはんも全くヘルシーでない。」
私の脳内に現れた女性は、とりあえず雰囲気でダイエットを始めようと決意したものの、そういった類のほとんど知識がないという設定だ。

 

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食材を並べた時点で、参加者が職業は?独身?どうやって食べるの?など質問してくれて、脳内には無かった細かな設定もその場で組み立てられていくので人物の輪郭がはっきりしてきて楽しい。

 

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「ダイエット一日目なので家に食料ストックがあります。昼と夜はそこから、とりあえず賞味期限が近いものを消化しようと考えたチョイスです。担々麺はカロリー高めだけどお昼だから大丈夫、夜はお酒を飲んでも一緒にご飯食べなければ大丈夫、だと思ってるので食事らしい食事はとりません。これだけ。無計画なんです」

「ダイエットしようとしている人の食事とは思えない。知識がないのが分かる」
「栄養学小学生」

企画としては成立しているが、自分より酷いかどっこいどっこいの生活をしている人を生み出してしまった。
食生活を変えたいという思惑には失敗している。
続くメンバーにはもっと意思の強い人を紹介してくれることを期待したい。

 

「梅子さんと少し設定が被ってるんですけど……」
そう言いながら次に発表を始めたのはじうがわさん。

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「この人はダイエットをしている24歳くらいの女性です。常に体型を気にしています。
美意識は高いのですが、朝使った化粧品を出しっぱなしにするなど雑な面があります」

 

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「この人が梅子さんと違うのは、多少知識があります。最近糖質制限をしています」
突然32歳事務女性にマウントをとりだす24歳医療事務。

「お昼は職場の電子レンジで温めて食べます。鯖は糖質制限ダイエットの味方だし、ミネストローネは野菜がたくさん摂れます」

 

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「"アンタダイエットしてんの?大丈夫よ若いんだから~"って給湯室で先輩に突っ込まれる」
「"先輩、飲み会でデザート食べるのやめたら良いんじゃないですかー?"って後輩に嫌味言われてる」
「その場では笑ってるけど、"飲み会では出されたから食べただけなんだけどなあ…"ってあとでtwitterに書きますね、この人は」

 

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特に驚いたのが糖質制限スパゲッティ。カルディは様々な種類の麺を置いているが、こういったものもあるというのは気づかなかった。明らかに体に気を遣っている人向けの商品だ。

 

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糖質制限できるし、これなら遅い時間に帰ってきてもさっと作れると思って」
「ちゃんと痩せようという意思が見える」

ダイエットとはなんたるかと考えさせられる献立が生み出された。私の中のOLに見習ってほしい。

なお、じうがわさん本人の食生活は、元気があれば自炊、そうでなければ外食、というスタンスらしい。夕食にさっと作れるからという理由でのスパゲッティ、かつ低糖質なものを選んだあたりにその生活が伺える。

 

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三番目はオイヌマハルカさん。ニコニコしながら買ったものを全て取り出した。

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「休みの日なのに夕方4時に起きちゃったOLです。これは1.5食くらい。4時から7時くらいにかけてだらだら食べる。夜ご飯、じゃなくて、起きてまた寝るまでにだらだらしながら食べます」

 

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「1,000円の上限を設定でカバーしようとしてる。でもリアルな感じがすごい、こういう人いる」

チーズフォンデュは電子レンジで作れるやつです。だから調理しなくていい」

 

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「このトマトスープは実家から送られてきたやつなんじゃないかと思う。この人ここまで考え至らないでしょ」
「お母さんが教えてくれたことを全部忘れてる」
遅い時間に起きてしまった際の食事に対する消化試合のような姿勢が共感を呼んでいた。

この人はオイヌマさん本人では?という声が上がったが実際の彼女は毎日和食を自炊をしているそうだ。

 

続く三人目は、ジムに通ったりオーガニックに興味を持っていたり、普段から生活に対する意識の高さを垣間見せる種さんだ。

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「営業部との交流もあって体育会系の雰囲気もあり、食生活が適当になりがち。オーガニックを意識していて、正しい生活を取り戻そうとしています。そんな働く女子の平日のオフィスで食べるメニューを考えました」

そう話しながら、語りに合わせてひとつずつ食べ物を並べていく。

 

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「化粧品会社オフィス勤務、28歳の営業事務女子。
朝は時間が無いので、とりあえず出社して、クッキーとコーヒーとちょっとつまみます。これだったら仕事しながら食べてもいいのではと考えた結果のチョイスです。でも厳しい上司にはナシだと思われてる。」

 

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「お昼は社食があるのでここでは無し。
糖分が欲しくなる午後三時頃、フェアトレードのチョコレートを齧りつつ、
すっきり気分を変えるためにオーガニックレモンジュースをお供に仕事をします」

 

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「今夜はオーガニックペンネを使って料理……のつもりだったんだけど、
家に帰ってきた頃にはへとへとで。結局作らない」

「結局作らない!?」 

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「代わりに帰る途中で買ってきたオーガニックじゃない春雨を食べます」
「急にジャンクなものがでてきた」
「限られた予算の中で切り捨ててくる発想がすごい。買い物が演技してる」

 

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合間合間に投げかけられる質問や意見を取り入れながらとはいえリアリティのある内容、
そして思わぬストーリー展開に全員、息を飲んだ。

1,000円で人は生きていけないのでは?と皆悩んでいた買い物。
予算の低さを架空の社員食堂で補い、さらに結局使わない食材までも出てくる点が強烈だ。
このアイデアを実際の生活に活かすには社員食堂を開く必要があるが、あくまでこれは化粧品会社勤務の彼女の人生である。

 

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「カルディ好きな女の買い物」「カルディを120%活用してる」との声を受けながら
満面のしたり顔で「全身全霊をかけて買いました」と一言。彼女は発表を終えた。

 

五番目はみきぽさん。買い物時間が一番長く、「うちの子は、私の中の女は小分けを買うか?大袋を買うか?」と、ギリギリまで脳内の人物の姿を追っていた。圧倒的妄想力の高さを誇る彼女の生み出した"女"がこれだ。

f:id:komeumeko:20190416134311j:plain「30代外資系OL、趣味は海外旅行です。
外資系なので多忙。だけどその分お金はあるし、独身なのでたまの旅行でめちゃくちゃお金を使っています。

今日は珍しく予定の無い休日です。こちらがその日の朝食になります」

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「ご飯を入れるだけでできる海老トマトクリームリゾットです。
朝起きてすぐ料理をする気はそんなにないので、ご飯を温めて混ぜればいけるものをまず食べます。そして今日は休みなので、朝からビール」 

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「これは普通のビールじゃないな?」
「これはベルギー産のビールなんですけど、去年旅行先で気に入ったものをカルディで見つけたので買いました。
現地とはパッケージが違うのがポイントです。あとで現地で撮った写真と一緒にSNSに投稿します」
「"#カルディ"って入れてると思う」

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「お昼ご飯は美味しそうなウニクリームソースをかけた、生パスタ。クリームが好きです。
海外の料理の味も知っているため、この女は基本的に舌が肥えています。合わないと思ったものは絶対に食べません」
痛風が心配」

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「そして夕食はイエローカレーです。これはカレーの素で、ココナッツミルクとか入れて煮込むと本場風のカレーができます。
野菜なども一緒に煮込むのでこれで栄養面は帳尻を合わせた気になっています。
ハラールマークも入ってる製品なのでムスリムの人も食べられます。本場重視なのがポイントです。
因みにタイ現地に行った時美味しかった物をカルディで買いました。あとで日本で買ったら高かった!ってSNSに投稿します」
「絶対"#カルディ"って入れてる」

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お昼はお金をかけて味をカバー、夜は手料理で栄養をカバー、そして"SNS映え"を意識した今風の献立。どれも美味しそうである。
海外を意識された内容も職業と趣味を反映されていて上手い。

実際の彼女の食生活を尋ねたところ、筆者に近いものを感じた。今回の「他人になったつもりで献立を考える(そして食生活を良い意味で変える)」という意味では百点満点である。
また、発表中は基本淡々と話されていたが、時折みきぽさんの中の"女"が彼女の口を借りて話しているようなプレゼンスキルの高さも印象的だった。

 

最後は今回のメンバーで唯一の男性、鈴木さん。
「オイヌマさんの安息日OLと同じ系統なので全部まとめて説明します」と食材を広げたが、彼の口から出たストーリーは、"オイヌマさんと同じ系統"という言葉から浮かべた我々の想像を裏切る内容であった。

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「彼は新聞配達のバイトで学費を貯めようとしているアメリカの少年です。

幼い頃に図書館で恐竜の本を見て"僕も理系の学校に行きたい"と夢を抱いた少年。
お父さんとお母さんは農場で働いています。それも住み込みで働いているような感じで、生活に余裕はないんですね。

ずっとそこに居続けると負担になるということで、少年は一人都会へ出て、苦学生として新聞配達をしながら暮らしています。舞台は日本ではありません。アメリカ、コロラド州です」

 

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「彼は低予算で三食を賄います。主食となるのがこのクラッカーでございます」
少年は値段の割に大きめサイズのクラッカーを一パックを三食に分けて少しずつ食べる。
食事はカロリーとグラムで決めていて、いかに少ない金額で栄養を摂取するかを考えているという。他の参加者とは真逆のタイプの生活だ。

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「朝食はこのクラッカー。そして動物性たんぱく質を摂るためにオイルサーディンです。本当はハムとか乗せたいけれど、お肉を買うお金はございませんので。

朝も昼も夜も働いているのですから、眠たくなってくるわけです。
そんな時にこの一杯のコーヒーを飲みます。これは食事の楽しみでもあります。

そして夜。どうしても眠たくなってしまった、疲れがたまってしまった、という時の為に、断腸の思いでチョコレートを、糖を摂ります」

 

彼は節約のため、このチョコレートを食べ切るのに一週間かけるという。先ほど種さんの発表の中でも出てきたチョコレートだ。

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「そして最後にピクルス。これは野菜を摂る、という理由もありつつ…おばあちゃんですね」

 

「まだ家族一緒に暮らしていた頃、生前、おばあちゃんが漬けてくれたピクルスの味が忘れられず、いつでも故郷を思い出すためにこの瓶を新聞の営業所のロッカーの中に置いています。そして疲れ果てた夜に酸っぱいピクルスを食べて、故郷を思い出し、体力を回復し、学費をためる、これらを少しずつ食べる、そういう三食でございます。およそ30年前のアメリカの大規模農場に想いを馳せてこの設定を選びました」

 

語り出しから異色で黙ってしまった。
合間合間で質問を投げかける人もいたが、即興ではなく予め一貫したストーリーが形作られ的確に返答を行っていた。

因みに実際の鈴木さんはしっかり食べているようなので安心してほしい。

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余談だが、地方出身の筆者も上京したての頃は今よりも毎日生きるのに精いっぱいで、実家での食事とは打って変わり三食キャベツと冷凍白米だった。都内で地元発祥の喫茶店を見つけた時は、飲み物を頼めば軽食がついてくる故郷と同じモーニングサービスで泣いたことを思い出した。毎日同じような生活を繰り返していたとしても、少しずつ変えていけるのだ。少年には幸せになってほしい。

 

食事にはその人の性格や食への考え、そして生活が表れる。確実に表れる。
今回は6人の食事を再現したが、同じ食べ物でも食べるタイミングや食べ方という点でも違いがあって興味深かった。

買い物中も、「自分が何が食べたいか」ではなく「イメージする人はどういった物を食べたいと思うか」を軸に棚の商品を眺めて回っていると、自分が買わないもの、知らなかった食べ物を見つけることができる。
そう思うと、今の自分よりも少しだけ楽しく豊かな生活をしている人物を脳内に住まわせておけば、予算は少なくとも今の食生活を変えることができる。これで筆者のローテーションも改善できる…かもしれない。

と思いつつ、やはり生活自体を変えた方が手っ取り早そうだ。

今回集まった献立を食べながらこれからのことを考えたい。

 さて、あなたは毎日何を食べていますか。

初めてエステサロンを利用した話

「桜の撮影の時にモデルをお願いします」

勤務時間は9割パソコンの前。

今年の3月は今の会社に入社して一番の業務量で、終電間際に退勤する日も多かった。

遅い時間まで真一文字に口を結び薄目で作業をする日が続き、ふと鏡を見ると明らかに老け込んだ自分が映っていた。化粧もしていない。最近見た目に気を遣えてないな、そう思っていたタイミングで写真撮影を趣味としている友人から冒頭の言葉がかけられた。写真はその時のコンディションが丸々写る。撮ってもらえるのであれば少しでも良い状態でお願いしたい。

 

そこで、以前から気になっていたエステサロンに行ってみることにした。

以前からtwitterの一部界隈でよく目にしていた「HSbodydesign」

国内最安値高級エステサロンという思わず首を傾げてしまうキャッチフレーズを掲げる、通称「白鳥エステ」である。白鳥エステは会員になる必要はあるが、継続契約などは無く利用したい時に予約するシステム。つまりベッドが空いてさえいればいつでも利用できる。

今回はそのエステ当日について、そして効果について書いておきたい。

 

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撮影日前日。足を運んだのはアキバ浅草橋店。

浅草橋駅から徒歩数分でたどり着くことができる立地にあるマンションの中で営業している。

エレベーターで上がり、やや殺風景の廊下に立てられた看板を目印に、恐る恐るインターホンのボタンを押す。

予約の名前を確認されるとドアが開き、指名したエステティシャンの方に出迎えられた。

靴を脱いで案内されるがまま幅広の廊下を通って奥へ進むと、薄暗い大きな一部屋にカーテンで区切られたベッドが沢山あった。内部は外から思っていた以上に広い。三倍くらい広い。まず玄関から広い。

 
ベッドに辿り着くと、中に入って荷物を降ろし、ベッドに腰掛けて受けるメニューを口頭で確認される。
使用するオイルについてや、どんな体にしたいか、疲れているところはないかなども聞かれた。
私は翌日の撮影の予定のこと、普段の仕事のこと、最近忙しかったことなどを話した。
特に顔をシュッとしたいと伝えたら、30分のドライヘッドエステの追加を勧められたので追加。
提案はされるが、あくまで提案でしつこくないのが良き。
 
施術時の服装はショーツ一枚か使い捨てショーツ、もしくは全裸が選べる。
無だと障害物が無く最大限にほぐせるのが利点だそう。
エステ経験は人生初だが、そこそこ長いこと全身脱毛に通っているのもあり、
そういった場での露出に抵抗が薄い自覚があったため全裸を希望した。
全裸といってもやってるところ以外はタオルケットをかけてもらえるのでそこまで恥ずかしくない。
 
そういったことを話したのちに担当さんは一旦退場され、バスタオルかけて仰向け全裸で待機。
ベッドは床暖房、電気カーペットのようにあったまってるので寒くはない。
 
しばらくして戻ってこられると、まず足先を触られた。
冷たいからと下に敷いているホットカーペット的な物をめくってまかれる。
あたたかい。冷え性の自覚は無いが冷え性なのだ。
 
エステのことはよくわからないが、ここは基本ハンドマッサージ。
施術は頭部から開始。手のひらや指の平で押されに押される。頭〜顔は痛くはないがおでこがべきべき言っていた。
パーツパーツ丁寧にほぐされていくのだが、凝っているところは痛むようで、背中、腰、足裏、ふくらはぎがやたら痛い。
背中の施術は肉と骨とを分割するイメージで、
中学の頃、給食当番のセットを忘れると罰として手を握手のように握り、関節をごりごり動かしてくる先生のことを思い出していた。それより断然痛みが強いが系統は似ている気がした。
実は指名した方は、twitterで痛い痛い(でも効果はすごい)と評判の方だったのだが、それでも手加減されていた気がする。
受けていて驚いたのは右腕の施術。どの部位でも汗が出ていたのだが、どういう訳か発汗量が違った。
疲れてるところほどそういうものらしい。
 
最中は白鳥エステのことや担当さんのことなどの話を伺っていた。
乗馬が好きなこととか、何故エステティシャンになったのか、疲れた時はどうしているのかなど。
こちらのプライベートについては聞いてこないが、仕事についてだとかを少し話した。
何を話しても基本的に肯定・褒めて下さった。
その褒め対応っぷりに保育園の時のことを思い出していた。やさしい先生...
揉まれる痛みに耐えながらだが。
 
施術中に「肌が光り輝くようですよ」「いらした時の疲れた表情が嘘のようですよ」などと
経過の実況もされて、ひねくれている私はそんなバカなと思いながら聞いていたが、
同日に新宿の洋服屋さんで売りたいのか売りたくないのかなんとも言えない接客を受けて
服を買ったことにややモヤっていたのでこういうのも悪くないなと思った。
お金を払うという行為に後悔をさせないサービスというか。服は服で物には納得して買ったんだけど。
 
そんなこんなで約2時間半。
まず実感したのは浮腫みが取れたのか履いてきた靴がゆるくなっていたこと。
目に力を入れると、まぶたがより開くこと、そしてそれがスムーズであること。
身体はぽかぽか、ローズオイルの香りでお風呂に入るのが勿体無く感じた。
そして翌日は23歳くらいの時こんな顔してたなーという顔になっていた。(現在28歳)
具体的には顎がシュッとして肌のキメが細かく。気になりつつあったほうれい線っぽいのも無に。
そして通常嵌め外しにちょっと手こずる指輪がどの指でもスッと入るし外せる。
なんなら一番細い指はややぶかついていた。
撮影中の表情筋の稼働も柔らかな気がした。
効果の持続は一週間くらい。見た目の調子が最高によかったのは翌日。
それまでの半月ほどのボロ切れ感を思うとかなり持ち直した状態で撮影に挑めたと思う。
 
施術前にどんな体にしたいか、どんな目にしたいかなど細かに要望を聞いてくれたのだが、
具体的なことは言わなかったので、それを伝えていたらもっとどうにかなっていたのかもしれない。
突然欲しいものを聞かれるくらい、どんな体になりたいかなんて考えは出てこなかった。
次に行く時は事前に考えておきたい。
 
余ったオイルは、退店までの間にヘアオイルとして使ったり、もっと塗りたくりたいところにつけるなど提案されたが、美容院行く前だったのでほとんど使わず残した。持って帰りたいくらいの量だった。
 
全体的に良いと思ったし、またお願いしたいと感じた白鳥エステ。
デメリットを挙げるとしたら、めちゃくちゃ眠くなったので施術後の仕事は無理なのと、
揉まれまくるせいかしばらく筋肉痛っぽい感じになることでしょうか。
あとどの店舗も直近は予約が埋まっていることが多く、最低半月くらい見ておいた方が良さそう。
 
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この日のメニュー

・ボディデザインプレミアム120分 24,000円(内 技術料4,000円)

・クレイパック 500円

 ・ドライヘッドエステ30分 2,000円

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プレミアムを選んだのは指名のスタッフさんがプレミアム対応のみだったため。
クレイパックは絵に描いたエステっぽいなーという印象にて。

技術料は指名する方の技術力で変わるので自分の懐具合や予定と相談して受けられるのが良いな。

 

また何かの折に...そこそこの年齢ですがおかげさまで伸びしろを感じたので可能であるなら毎週でも行きたい...可能であるなら…
 

サロンには男性スタッフさんもいらっしゃいました。

女性はもちろん、 男性、中性の方も歓迎ですとのことなので興味のある方は是非トライ。